READING GUIDE
機能名ではなく、いまの流れから検証範囲を整理します。
業務改善システムの見積もりが想定より大きく、品質を下げる値引きではなく、着手範囲と投資判断を整理したい責任者。
01 / 症状
このような状態が続いていませんか。
まずは解決策を決めず、日々起きている事実を確認します。
- 必要そうな機能を一式で依頼し、どの要件が費用へ影響しているか分からない。
- 複数部門、複数権限、複数システムの要望が初回範囲に入っている。
- 既存データの整理状態が不明なまま、全件移行を前提にしている。
- 標準処理とまれな例外を区別せず、すべて同じ優先度で見積もっている。
- 初期検証費用、追加要素、完成までの総額を同じ金額として比較している。
- 価格を下げた場合に、どの検証や品質管理が外れるか確認できていない。
02 / 起きていること
業務を、入力から例外対応まで通して見ます。
一つの操作だけでなく、前後の確認・承認・通知まで含めると、残る手作業が見えます。
- 要望入力
関係者から画面、機能、データ、連携の希望を集める。
利用目的と、最初に判断したい価値を要望ごとに付けます。
- 要件整理
要望を標準処理、例外、権限、非機能要件へ分ける。
初回に必要な条件と、次段階へ送れる条件を分けます。
- 実現性確認
データ、外部サービス、既存環境、制約を調査する。
不明点は実装費へ混ぜず、有償調査や検証として分離できるか確認します。
- 承認
対象範囲、受け入れ条件、予算、責任分担を決める。
機能完成と業務改善の成功条件を分けて合意します。
- 共有
含む要件、含まない要件、前提、追加時の扱いを関係者へ伝える。
比較する見積もりの範囲と条件をそろえます。
- 見積もり出力
主分野、追加要素、実費、次段階の可能性を提示する。
初期検証上限と完成までの総額を区別します。
- 不確実性対応
未確定仕様、例外、高リスク要件を調査・個別見積もりへ切り分ける。
不明な条件を固定上限へ無理に含めず、判断材料を先に作ります。
03 / 原因候補
表面の手作業以外にも、詰まりの原因があります。
実際の原因は案件ごとに異なります。診断前の決めつけではなく、確認する候補として整理します。
画面数と状態数が多い
一覧、詳細、編集、承認、管理など画面と状態が増えるほど、設計・実装・検証範囲が広がります。
利用者と権限が複雑
部門、役職、組織、顧客ごとの閲覧・更新条件は、画面とデータの両方へ影響します。
データ元が複数ある
Excel、既存システム、紙などの識別子と形式をそろえる作業が必要になります。
外部連携が多い
サービスごとの仕様、認証、制限、障害時の処理を確認する必要があります。
データ移行の状態が不明
欠損、重複、表記差、過去履歴の扱いが未確定だと、調査と検証が増えます。
例外処理をすべて含めている
低頻度の例外まで初回に自動化すると、分岐とテストの組み合わせが増えます。
セキュリティ・高リスク要件がある
個人情報、決済、医療、金融、監査要件は、追加の設計・審査・運用管理が必要です。
運用・監視・可用性の要求が高い
障害監視、バックアップ、復旧時間、サポート時間を定めると、構築後の運用設計も必要になります。
04 / 既存手段の限界
現在の手段が有効な範囲と、残る課題を分けます。
いま使っている方法を否定せず、どの条件なら続けられるかを確認します。
機能一覧だけで相見積もりする
有効な条件納品物、前提、品質条件が同じであれば、価格差を比較する材料になります。
残る課題調査、データ移行、権限、運用、除外範囲が異なると、同じ機能名でも見積もりの内容はそろいません。
既製SaaS・パッケージへ置き換える
有効な条件標準機能へ業務を合わせられる場合、開発範囲を抑えて早く始められます。
残る課題運用変更、データ移行、外部連携、月額費用を含めた条件で比較する必要があります。
完成形を一括で発注する
有効な条件要件、データ、責任者、受け入れ条件が十分に確定している場合は、全体計画を立てやすい方法です。
残る課題不確実な要件が多い段階では、使われない機能や追加調査を初回投資に含める可能性があります。
05 / 最初に試す範囲
最初から広げず、判断できる単位へ切り出します。
範囲を小さくしても、中心となる価値と次の判断材料は残します。
- 業務
- 価値と課題を説明できる一つの業務フローを選ぶ。
- 利用者
- 最初に使う一つの役割だけを対象にする。
- データ元
- 正とする一つのデータ元に絞る。
- 出力
- 次の業務判断に使う一つの結果へ絞る。
- 画面
- 中心価値を確かめる一画面から始める。
- 外部連携
- 連携なし、または一サービスまでにする。
- 例外
- 標準フローを先に実装し、少数の例外は記録して人が処理する。
- 指標
- 機能確認に加え、時間、転記、ミス、待ち、確認、探索から二〜三項目を選ぶ。
06 / 主分野と追加要素
主分野と追加要素で初期検証を整理する
見積もりは、中心となる主分野と、初回に必要な追加要素へ分けて確認します。金額を下げる場合は品質項目を外すのではなく、利用者、画面、データ、連携、例外の範囲を小さくします。
PRIMARY AREA / 主分野
対象業務に応じて選択
初期検証
定型業務自動化
15万円以内GAS、転記、集計、帳票生成、メール・通知を検証する場合。
データ集約・可視化
20万円以内Excel・CSV統合、集計、ダッシュボードを検証する場合。
社内業務管理アプリ
35万円以内顧客、案件、在庫、従業員、申請管理を検証する場合。
顧客向けWebアプリ・ポータル
55万円以内会員画面、申請、予約、進捗確認を検証する場合。
Webサイト・LP・CMS
20万円以内コーポレートサイト、商品ページ、更新機能を検証する場合。
既存システム改修・引き継ぎ
初期診断15万円以内コード調査、環境確認、問題整理、改修方針の作成を行う場合。
- AI・生成AI外部AIモデルの利用、出力評価・調整を含む場合。
- +10万円以内
- OCR画像、PDF、紙帳票から文字・項目を抽出する場合。
- +15万円以内
- API連携外部サービスとデータを送受信する場合。
- 1サービスにつき+7万円以内
- 高度な認証・権限招待、複数権限、組織別データ分離を含む場合。
- +10万円以内
- データ移行既存データの整形、検証、取り込みを含む場合。
- +10万円以内
- 高リスク要件個人情報、決済、医療、金融、高可用性などを含む場合。
- 固定上限なし・個別審査
※ 金額はすべて税別の暫定初期検証上限であり、完成までの総額上限ではありません。
※ サーバー、ドメイン、外部API、有料サービスなどの実費は別途必要です。
※ 標準範囲を超える場合は品質を下げず、初期検証範囲を縮小するか、着手前に個別見積もりをご案内します。
※ 契約後に追加された要件は、次の検証段階または追加契約として扱います。
07 / 初期成功条件
「動いた」と「改善した」を分けて判断します。
機能・運用・改善・継続判断の4つを、検証前に確認します。
- 01 / 機能成功初期範囲で合意した中心機能、画面、データ処理、連携が受け入れ条件どおりに動く。
完了した中心処理 / 受入条件の確認 / 失敗・未確定項目
- 02 / 運用成功対象の実務担当者がTHPの常時補助なしで中心業務を実行できる。
独力での利用回数 / 操作問い合わせ件数 / 運用手順の実施可否
- 03 / 改善成功初期範囲でも、時間、転記、ミス、待ち、確認、探索のいずれかに変化を観測できる。
処理時間 / 確認・手戻り件数 / 探索・待機時間
- 04 / 継続判断次段階へ投資する、条件を直して再検証する、現行手段を選ぶ、開発を終了するのいずれかを判断できる。
次に追加する要件 / 外した不要機能 / 追加調査が必要な条件
08 / 向かない条件
初期検証に向かない条件も、先に確認します。
条件が整わない場合は、無理に固定範囲へ入れず、整理・調査・個別見積もりを選びます。
- 初期検証で確かめたい業務価値と指標を一つも選べない。
- 最初から全部門、全権限、全データ、全連携、全例外を同時に含める必要がある。
- データ、既存環境、外部サービスの仕様を確認する協力体制を用意できない。
- 受け入れを判断する責任者と、現場で試す利用者が決まっていない。
- 未確定要件が多いにもかかわらず、有償調査や段階的な見積もりを選べない。
- 個人情報、決済、医療、金融、高可用性などの高リスク要件を固定上限で扱う必要がある。
09 / 進め方と保証
保証の可否と、開発できるかどうかは分けて判断します。
成果保証は案件条件の審査制です。保証対象外でも、通常開発や条件整備後の再審査を選べます。
成果保証の審査
成果条件、技術的実現性、必要なデータ、顧客側の協力体制を確認し、THPが成功可能性を管理できると判断した案件だけを対象とします。審査は会社の規模や知名度ではなく案件の条件に基づきます。保証範囲、判定方法、適用除外、未達時の扱いは案件ごとの契約書で確定します。
保証なしの通常開発
成果保証の対象外でも、仕様、納品物、検収条件、責任範囲を合意できる案件は、保証なしの通常開発として進められます。
条件整備後の再審査
対象範囲、成果指標、必要なデータ、判断責任者、協力体制を整えた後に、成果保証の対象となるかをあらためて審査できます。
10 / 次の一歩
11 / FAQ
よくある判断上の質問
初期範囲、価格、運用、保証について、相談前に確認されることをまとめました。
Q01初期検証上限は、完成までの総額ですか?
いいえ。主分野と追加要素の金額は、すべて税別の暫定初期検証上限です。完成までの総額上限ではなく、次段階の範囲や費用は初期検証の結果を踏まえて判断します。外部サービスなどの実費も別です。
Q02見積もりを下げるには、何を見直せばよいですか?
品質管理を外す値引きではなく、最初の利用者を一役割、画面を一つ、データ元を一つ、連携を一つ以下、例外を少数へ絞ります。中心価値を測れる範囲は残します。
Q03仕様が決まっていなくても見積もれますか?
不明点を列挙し、固定できる範囲だけを初期検証として見積もる方法があります。既存コード、データ、外部仕様の調査が中心になる場合は、有償の初期診断や個別見積もりとして分けます。
Q04高リスク要件にも固定上限はありますか?
個人情報、決済、医療、金融、高可用性などは固定上限を設けず個別審査です。必要な安全対策、監査、運用条件を確認してから範囲と見積もりを提示します。
Q05成果保証の審査で対象外になったら、依頼できませんか?
保証対象外でも、仕様、納品物、検収条件、責任範囲を合意できれば通常開発として進められます。対象範囲、成果指標、データ、責任者、協力体制を整えた後の再審査も可能です。